2003UKレポ

〜始めての渡英、大騒ぎ、刺激受けまくり〜


ようやく飛び立ちました...(^^;

目次

第1回 〜準備、そして...〜

第2回 〜間に合うのか?〜

第3回 〜奇跡〜

第4回 〜初めての12時間飛行〜

第5回 〜セムリーでの熱い夜〜

第6回以降


2003年1月 初渡英レポ!!初めてのUK!

第1回

〜準備、そして...〜

 

UK選手権に出ようと考えたのはエントリーの締め切りが近づく昨年の11月頃だった。
過去、シンガポールの試合に出場したことがあったのだが
試合そのものにはあまり刺激を受けることが出来ず、
(街そのものも、なんだか日本に似ていたということもあり)
次、海外に出るのであればヨーロッパに行きたいなぁ...と考えていた。
(ちなみにシンガポールはバカンス(旅行)としては最高に楽しかった)
 
しかしヨーロッパ、特にこのUK選手権となると最短でも1週間会社を休まならない。
それは本当に可能なのか...?これが一番の悩みだった。
僕の本業はデザイナーなのだが、依頼はいつ入ってくるか分からないし...
....が、結局こればっかりはどうしようもない。(^^;
強引に休みを入れ、エントリーすることにした。
 
今回はパートナーである「ぶり(呼び名)」の方が「行きたい!」と気合が入っていた為、
UKに行くための飛行機や向こうに行ってからの行動等を、すべて
任せっきりにしてしまったり、五十嵐・あすかや菅野さん・直子さん達と
一緒に行動させてもらえるという安心感からか、エントリーをしても何だかボケボケしてしまい
”行く”という実感はなかなか湧いてこなかった。
 
 
...が、年も越し、出発が近づくにつれ、徐々に焦りだした...。(^^;
なんせアジア以外に出るの初めてなので、大きいスーツケースも持ってないし、
イギリスは食べ物に不自由すると聞いているので非常食の用意、防寒対策などなど...
いろいろ買いそろえなくてはいけない!
で、週末を使ってぶりと色々量販店をまわることにした。なるべく安く買い物をするために。
スーツケースは一番おっきいので、今は大体どこでも9800円であった。
非常食は主に100円ショップで。お粥やカップラーメン、お菓子、コーヒー、スープなど
いっぱい買ってしまいまった。まあ無くて困るよりは...という考えのもと。(--;
 
また、今回newドレスで出ようと衣裳を作ったのだが、サイズが大きくなってしまった
のでリフォームしたり、ちょっと石(ダイヤスパン)が足りない感じだったので、
自分達でチマチマ付けたり...そんなこともしていた。
 
何をどうしていいか分からないと戸惑いながら、焦りながらも
こうしてなんとか徐々になんとかモノの用意だけは出来ていったのだった。
 
後は前日スーツケースに詰めるだけ...!
 
 
1/17(出発前日)の金曜日、仕事を終えた後、ラストの日焼けに行ってから、車でぶりを
迎えに行った。成田へは僕の家からの方が近いため、ぶりは用意を済ませジメ邸に移動、
泊まって朝出発するという魂胆だ。
 
しかし後で考えると、これが悪夢の始まりだった...。
 
家に付いたのはもう12時近い時間、僕はこの時点でまだ全くパッキングを始めておらず
のんきに構えていた。
服は何を詰めるか...とか、あの日用品を入れて...とか書き出しながら。
 
その時ぶりはと言うと、頭が痛かったらしく頭痛薬を飲んですでに寝てしまっており、
僕はただ一人「もう今日出発かぁ〜」なーんて思ったりながら...まだなかなかスタート
出来ずにいた・・・。
 
3:00も近い頃、そろそろやばいなあと思い、あすかの掲示板に「今から詰めまーす」
とのんきに書き込んだ後、ようやくせっせとパッキング開始。
が・・・意外に時間がかかる。何を詰めるか書きだした事もあって、入れ忘れたものは
ないが、なんだかんだ5時頃までかかってしまった。(^^;
 
飛行機の出発は11:30・・・。
2時間前には集合なので9時過ぎには成田に入りたい。しかしそのためには
8時前に家を出れれば十分と言ったところだった。
「少し仮眠出来るかな」と思い、7時に目覚ましをセットして寝ることに。
「あ〜もうすぐ、初の12時間飛行かぁ...緊張するなぁ〜...Zzzzz...」
 
・
・
・
「テンー、テンー、テンテンテンー(携帯のメロディー)」
源平討魔伝だ。
ぶりが「携帯の目覚まし、止めなよ〜」と言う。
「うん...」
僕は携帯を止める為、布団からのそのそ出る。...が、ふと嫌な予感がした。
(...待てよ?オレ、携帯の目覚ましって源平討魔伝じゃないよな...)
・・・止める前に、メロディーが止まる。
 
「?」
 
見ると、それは菅野さんからの着信だった・・・。
 
・・・・
・・・・・・
・・・・・・・・
「!!!!!!?」
 
 
ハッと壁の時計に目をやる。
 
すると 時計は 飛んでもない位置に その 針を 向けて い た...。
 
 
 
 
『ジュウジ ハップン デース』
 
 
 
・
・
・
「んののあああああぁぁぁぁ〜〜〜!!!
 ヤバイ!起きろぉー、ぶり!やっちまったぞ!!」
 
 
最低でも9時半には成田に集合しなければならないのに
10時過ぎに起きた二人!!!
 
どうする!?
 
 
てゆうか、もうダメだろ!おまいら!!
 
 
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第2回

〜間に合うのか!?〜

 
 
「えええぇぇっ!!?うっそー!!う〜〜〜〜どーしよぅ〜〜」
 
10時間以上寝て腫れ上がった顔で驚き、今にも泣きそうになりながらぶりは飛び起きてきた。
 
こんな時間に起きてしまって、どうしようもない2人は、
とりあえずあすかに電話することに。
ぶり「あっ、あすか!?どーしよぉ〜、今起きたの!!(ToT)」
・・・半泣きである。
その横で自分はとにかく用意を続行、(今着ているジャージや起きて使うつもりだった電気シェーバーなど生活用品の詰め込み)
&荷物の最終チェックに入った。
 
その時、自分の頭の中では「もうダメか...?」という思いと
それでも「いや、まだ何とかなるだろう」という思いが高速に入れ替わっていた。
 
が。 起きたてには相当な重労働だったのだろう。僕の脳は、いつしか
 
 
『...ま、焦ったって、しゃーない...』
 
 
と割り切り始めてしまった。(-_-;
 
のんのんと落ち着いて最終パッキングをする僕を見て、
 
「うわ〜〜〜ん!!もっと急いでよーー!」
とぶりが泣き出した。
 
 
 
 
・・・ひどい顔だった。
 
 
 
 
腫れた目、泣きそうな顔..。考えたら、起きたてで化粧もしていなかった。
 
 
「と、とりあえず、眉毛書きな。....ね。」
 
 
と言って聞かせた。...ペタンと座りこんで眉毛を書くぶりの横で
さらに用意を続行!!
スーツケースにベルトをし、着替えも済まし、
起きてから10分ほどで用意は完了した。
急いで外に出る。
現在10時20分過ぎ...。
 
当初は駅まで歩き、電車で行くつもりだったが、
そんな暇は当然なく、五十嵐の提案でタクシーを呼ぶことにした。
 
 
しかし、自宅にタクシーはどうやって呼んでよいのかッ?!
 
 
当然ながら、普段自宅にタクシーを呼んだ経験なんてない。
でもって、僕の家にはタウンページなんてシャレたものはなかった。
 
こんな時は自力で何とかしようとしても無駄だ!
...と、隣のクリーニング屋さんに駆け込んむ!
 
 
僕「すみませーーーーーん!」
 
クリーニング屋さん「はぁーーい。(^^)
 
僕「タクシー呼んで欲しいんですがぁっ!!!」
 
 
 
 
....大迷惑である。
 
「ちょっと急いでまして...が、タウンページ持ってないんですよ...スミマセン(-_-;」
 
大荷物を持って、起きたての顔した男女2人にタダならぬもの感じたのか、
クリーニング屋のおばちゃんも、必死に一番近いタクシー会社を探してくれた。
 
速攻で電話し、待つこと5分...。
タクシー到着!!!
(この5分は長かった...!)
 
僕のスーツケースをトランク、ぶりのスーツケースを助手席に載せて(2人分はトランクに載らなかった)
タクシースタート!!
 
 
運ちゃん「どこま...
 
2人「成田空港まで!!」
 
 
 
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第3回

〜奇跡〜

  
 
タクシーに揺られながら、もう一度あすかに連絡を入れる。
話によると、とにかくもう本当に「無理」の場合は、旅行会社の人から電話が入ることになったそうだ。
「もーダメかなあ...。」とぶりが言う。
・・・もし、乗れなかった場合、どうするのか?
そのまま別の飛行機チケットを通常の値段で買うとなると
数十万してしまうため、自分達には全く無理な相談だった。
日にちをズラして格安チケットのキャンセルを待つ・・・これも、あるかどうか分からない。
ん〜、困った。こんな時は、こう考えるしかない...。
 
ズバリ、
 
「...間に合うだろ。」
 
 
自分でものんきなもんだな...と思った。
が、タクシーに乗った今、悪い方に考えても仕方がない。そういうのはダメになったときに考えよう、と思った。
 
あすかと連絡を取ったり、二人で話したりしている内容を聞いて、タクシーの運ちゃんが
「どうした?寝過ごしちまったか?」
と察して聞いてきた。
「ええ、実は出発が11:30なんです・・・(^^;」
運ちゃんは「そうか〜、そいつは大変だなぁ」と言いながら飛ばしてくれた。
 
クリーニング屋のおばちゃんといい、タクシーの運ちゃんといい、
ホントにありがたい事だなぁと思う。
 
高速は混むこともなく、
予測通り30分程で成田空港に近づいた。
 
 
が...検問の前あたりで、遂に旅行会社から電話が鳴った!!
 
ダメか・・・!? 
 
 
 
旅行会社のおばちゃん「もしもし?今どこですか??!」
 
オレ「今入って、今着きます。」 
 
若干意味不明だ...。
 
旅行会社のおばちゃん「でしたら、とにかく直接ANAのカウンターに来て下さい!」
 
 
 
・・・・お! ま、間にあうんじゃないか・・・・?!
 
運ちゃんにANAの前につけてもらい、ぶりが金を払う間にスーツケースをおろす。
ちなみにタクシー代は13000円。
・・・安いモノだ。(T_T)
 
ANAのカウンターに行くと、旅行会社のおばちゃんとANAの方が待っていた。
 
 
「間に合いますか!?」
 
「ええ、大丈夫ですから。早くして下さい!」
 
おおお〜〜〜っ!やった!神よ!
 
スーツケースをあずけると、おばちゃんが言った。
「搭乗が始まっているので、どこにも立ち寄らずにまっすぐ搭乗口まで走って下さい!!」
 
「ハイ!!」
 
僕とぶりは走り出す。そんな二人におばちゃんはこう付け足した。
 
「こういうことは今回だけですからね!次回はダメですよ!!」
 
「ハ〜イ!!」
 
僕らももう懲り懲りです...。
 
しかし、走りながら成田の事がよく分かってない二人。
2階のみやげものがある方のエスカレーターに行こうとしてしまう・・・
 
おばちゃん「そっちじゃなーーーい!!」
 
 
・・・ホントすんません。おばちゃん・・・。いや、おねえさま。
 
 
 
正しいエスカレーターに乗り、持ち物検査を済ませ、搭乗口まで走る!!
すると搭乗を待つ団体が...。
 
その中に、五十嵐、あすか、菅野さん、直子さん、久保さん、和音さん...みんなを発見!!
 
走る2人にみんなも気付いた!! 手を振る...&大爆笑!!
 
 
 
...急にドッと安心感があふれた。
 
 
ごめんよララァ。僕にはまだ行ける場所があったんだ...。    (意味不明(^^;)
 
 
笑いながら皆と合流。
「良く間に合ったね〜。」
「ホント、笑い話で済んでよかったよ〜」
「初っぱなから楽しめた...」
 
皆そう言って、大遅刻のお騒がせ野郎を迎えてくれた。
 
「ジメの髪型が、すべてを物語ってるよ...(笑)」
 
 
見ると、寝癖ありあり!!
 
 
そしてまた爆笑...。
 
いやはや・・・皆さん、
本当にご迷惑をおかけしてスミマセンでした。m(_)m
 
この場をお借りして、もう一度...。
 
特に色々かけあってくれた、あすか、五十嵐、本当にありがとう...。
 
 
 
 
というわけで、波乱のスタートで始まったUKへの旅。
 
ようやく飛行機に乗る。
 
 
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第4回

〜初めての12時間飛行〜

  
 
今回のツアーでは、たまたまANAになったのだが、コレが色んな意味で良かった。
 
自分達の遅刻に対応してくれたのも、ANAのような日本の会社でなければ
無理だったかもしれない。
 
それから今回僕は初めてアジアを離れる。つまり10時間以上のフライトは初めてなのだ。
 
エコノミークラス症候群に気を付けろと言われる中、自分は同じ体勢ですぐ節々が痛くなりやすいということ...
気圧の変化に耳を対応させるのが苦手だということ...
英語が苦手なので、フライトアテンダントさんとのコミュニケーションがとれるかどうか...
色々心配事があるのだが、
 
なんだか「ANA」と言うだけで随分緊張が解けた。
 
乗り込むときも、まるでこのまま国内のどこかにヒョイと旅行するのではと
間違えてしまいそうなほど、あの青いロゴマークは僕を安心させてくれたのだ。
 
 
が...自分の席に行って驚いた。
 
 
・・・せ、せまい(T_T) 
 
 
座った時に、膝と前の席との間は拳が一つ入るか入らないか...そんなところだった。
まだ、国内線のANAの方が広いのでは?と思うほどだ。
 
これで...12時間...?
 
俺...
ホントにエコノミーなんたらに
なっちまうんじゃないか!?
 
 
 
さらに...
自分の席のエリア担当のフライトアテンダントさんが
思いっきり外国の方だった...。
 
 
 
・・・甘かった。
 
普通に「お飲物何にします?」ってバリバリの日本語を期待してたのに...。(;_;)
 
 
 
しかし、僕は自分に激しく喝を入れた。
 
「今から英国に行くのに、こんな事でどうする!!ヨシカズ!!」
 
と...。
 
(スミマセン、コレ絶対言わない(^^;)
 
 
 
そうこうするうちに飛行機は飛び立った。
いつも羽田からの風景になれているので、
窓から見えるのが陸地ってのがなんか不思議な感覚だった。
 
 
さあ、これからの12時間どうしようか...と番組表を見る。
色んな映画、色んなチャンネルがあって、少しワクワクしてしまった。
(ゲームがしょぼいものしかなく激しく凹んだが)
 
とりあえず、ジュースを飲んだり飯を食ったりしながら
音楽を楽しむことにした。
 
というのも、当初の予定だと自分は2時間ちょっとしか寝ていないはずなので
飛行機で寝るつもりだったのだ。
...が、たっぷり寝てしまったし、こう狭いと全く寝れる気がしなかった。
なので、色々飽きてきた最終手段に映画を持ってこようと考えていたのだ。
 
 
初めに僕は「やはり「ジャズ」で優雅なひとときを..」
と思い、それが流れるっぽいチャンネルに合わせ、聞き始めた。
 
「♪〜...はーい!皆さんいかがお過ごしですか!?...」
軽快にDJが話し出す。
 
早く曲に入ってくれと思いながら聴いているのだが、
この番組やたらとDJが喋る....。
 
20分ぐらいでようやく2曲。
最近日焼けサロンに行って、いつもゆうせんを聴くので、
DJナシの気持ちよさに慣れているせいか、やたらとDJがやかましく感じた。
 
 
「さて、次は特別企画、ロスのミュージシャンにインタビューを...」
 
 
「ええぃ!曲を聴かせんか!曲を!」
 
 
頭に来て、他の番組にプチプチ変えてしまった。
 
...しかし、他の番組もなんだか同じで、しかも邦楽とかの気分ではなかったので
仕方なくジャズのところに戻ったのだが...
 
 
 
「♪〜...はーい!皆さんいかがお過ごしですか!?...」
 
 
 
・・・・・。(汗)
 
 
 
...いや、他の番組探しているときに、薄々感づいてはいたのだ。
しかし、しかし....
 
 
 
もう一度初めから
聴かなきゃなのですか、ママン(T_T)
 
 
(侍風)
 
個々の端末で、初めから聴けるのいいんでしょうが
せめて音楽番組にも早送りを付けて欲しかった...ANAから依頼を受けたSEさん。
 
 
このまま音楽を聴き続ける気も失せ、横でソリティアをしていたぶりと
映画を見ることにした。
 
まず初めに選んだのは、スティーブン・スピルバーグの
「マイノリティ・リポート」
非常にユニークで凝った発想と、息を付かせぬ展開で、思わず入り込んでしまった...。
なかなか面白い。
さすがスピルバーグ!
 
 
 
映画1本見終わったところで、相当体が固まり、腰や脚が痛くなってきていることに気付いた僕は、ぶりと一緒に
飛行機の最後部にいって体を伸ばすことにした。
 
窓を見ると、あたりは一面真っ白!!
そう、僕らはシベリアの上を飛んでいたのだ。
そして向こうには朝日を受けた月....。綺麗だ!
 
思わず写メール!!
 
        
シベリア。下に見えるのは巨大な氷河と思われる     遠くに月が見える
 
 
体を伸ばしながら、外を見ていると、あすかや和音さん、直子さん達もやって来た。
 
暫し雑談。
シベリアを眺めるのはもちろん初めてで興奮中の僕に対して、
「しかし、よく間に合ったね〜」
と、遅刻劇にまた花が咲く。
 
...そういえば、すっかり忘れていたが、
すんでのところでここには居なかったかもしれないと考えると
ホントに恐ろしい...(^^;
マジでよかった〜〜と思うのだった。
 
 
ちなみに成田で待っている皆は
「今回は観戦で来ている久保組がじめ達の代わりに出る!?」
とか、
「間に合ったら、本来かかってしまったであろう正規チケット代分、何かおごってもらおう!」
などと盛り上がっていたそうだ。...(^^;
 
 
そんな話で盛り上がっていたのだが、一息つくと和音さんが
「直ちゃんところ、どう?」
と聞く。
 
そう!
今回菅野さんと直子さんは、貯めたマイレージでビジネスクラスなのだ!!!
 
うおおおぉぉぉぉ〜羨ましい....。
 
 
「も〜ホント快適だよ〜」という直子さんの話を聞いていた我々は...
 
 
皆でビジネスクラスの空間とやらを見に行く事に決定。
 
 
 
ズカズカと2階にある未知の領域に向かって歩いていく。
「えっ?」というフライトアテンダントさんらの表情を横目に..。
 
 
で、確かにそこは広かった。脚を放り出し、いかにも金持ちそうな欧米系の太ったオッサン。
確かにこの人達ではエコノミーは無理だよな...。
 
なんて事を考えていると、やはりフライトアテンダントさんらの様子がおかしい。
ヒソヒソ話した後、こちらに向かって来る。
 
嫌な予感がした僕は身をひるがえし、ぶりを連れてさっさと戻り始めた。
その背後で菅野さんが説教を受け始めたのを確認。
 
「やっぱマズかったのかな...」
 
そう思いながら、1階を自分の席へ戻っていると...
 
 
...つ、つけられている!
 
この私がつけられているだと!? <コレは蛇足(--;
 
 
 
おいおい、勘弁してくれよ...
思わず小走りになる。
 
まるで子供のように席に戻って、なにも無かったような顔をしてみたが
やはり、フライトアテンダントさんの目標は僕の席だった。
 
 
「あの、スミマセンが、ビジネスクラスの方へお会いになりに来る場合は私共を呼んで頂き、
それで私共がビジネスクラスの方にエコノミーの方が会いたい事を伝え、ビジネスの方が
こちらに降りてきていただくという形式をとらないと、会うことが出来ません...
つまり、あそこに
エコノミーの奴らは来るんじゃねぇー
方は立ち入れませんので...」
 
 
「....あーーー!そうだったんですかぁ、
いやー知りませんでした。しかし考えたらそうですねー。
そいつは失礼しました。では次回会いたいときはそうしますので。はは〜...」
 
 
 
・・・まあ、ツアーで数万しか出さん客ですし、しかも出発30分前に来たヤツですので...
何も言えません。
 
 
後で聞いたが、みんな怒られちゃったようです。(^^;
いや、失礼しました。
 
 
...今後は大人しくしてやります。<反省の色ナシ
 
 
でも広かったなー。いいなー。
 
 
 
そんな騒動もあったのだが、その後も体伸ばしたり、映画見たり、飯食ったり...を繰り返し
何とかロンドン、ヒースロー空港に近づいて来た。
 
 
ちなみに行き、帰りに見た映画は次の通り
・マイノリティ・リポート
・阿弥陀堂だより
・ロードトゥバーディション
・K−19
・邦画の何か(忘れた)
・AIKI(最後が見られなかった)
 
特に阿弥陀堂だよりは、非常に素朴な映画でこれといって迫力はないのだが
なんだかジーンときた。
 
 
さて、心配した耳抜きも、飴をなめ続けて回避!!
体はカチカチに凝り固まってしまったが、数回のストレッチでエコノミーなんたらも回避!
 
いよいよヒースローが近づいてきた!!!
 
 
ロンドンだ!セムリーだ!UK選手権だ! 
 
 
 
 
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第5回 

〜セムリーでの熱い夜〜

  
 
遂にヒースロー空港に到着!!否が応でもワクワクするんです...が、
 
空港ってのは、どこも似た作りになってるんですよね....。
しかも、乗ってきたのがANAってこともあり、降りたのは日本人客がほとんど。
 
そんなわけで、降り立ってからはいまいち、まだ日本に居る感覚でいまいちピンと来ません。
 
入国審査のおじさんも気を使って日本語で質問してくれたし...(^^;
 
しかし、バスに乗ってロンドンの中心街に向かうと、さすがに街並みが「イギリス」しているので
ようやく「来た〜〜〜!」って感じになってきた。
 
  ロンドンの街並み
 
 
バスで向かったのは、ロンドンの東京駅とも言える「ビクトリアステーション」。
ロンドンに着いたこの日と次の日、このビクトリアステーション近くにあるBB
「アーデンホテル」に泊まるためだ。
 
このアーデンホテル、あすかが見つけてとってくれたんだが、
とても綺麗で、まったく不自由しなかった。
 
イギリスと言えば、ホテルの劣悪さ、特にシャワーなどの水回り、環境、食べ物が
ヒドイと聞いていたのだが、ここはロビーでカプチーノが作れるディスペンサーがあって
自由に飲んでよかったり、水捌けは良くなかったが、シャワーはしっかりとお湯が出た。
朝飯も、普段食わない僕としては、パンやフレーク、コーヒーにオレンジジュース、
シメにヨーグルトまで食べられるとくれば十分だった。
 
五十嵐曰く、
「ジメさん、これが普通だと思わないほうがいいですよ...」
とのことなので、相当アタリのホテルだったのだろう。
いやぁ、あすかサンキュウ!!
 
あすかが見つけてくれたBB、アーデンホテル
 
 
一行がホテルに入ったのは、既に夕方過ぎになっていた。
日本で言うと、2時をまわった完全に真夜中。
飛行機の中で固まっていたので、皆相当疲労している。
 
ここで、この状態からセムリーに行くかどうか...という話し合いになった。
 
セムリーの練習会。
狭い普通のスタジオの中、一流選手がひしめき合い、フルスピードで踊る。
普段は見られない、世界のトップ選手の練習....
それを見るだけでも貴重なのに、その中に混じって練習できる...という
スゴイところ。
 
ロンドンに滞在できるのは、着いたこの日と明日の2日間なので
僕としては、疲れてても行ってみたかった。
 
そんな初めての僕達を気遣ってか、
直子さんが、行きたいなら行こう!と言ってくれた。
 
久保さん達は、今回選手ではないので、行かない事になったが、
はじめはかなり気持ちがバックバランスだったの皆も、
セムリーに行ってくれることになった。
 
 
用意をして、もう一度集合し、ビクトリアステーションでケンタッキーのバーガーを
食ってから、セムリーに移動した。
 
セムリーは、ロンドンから少し離れた郊外にあり、電車で移動。
どこにあるのか、切符はどうやって買うのか、何も分からない僕らは
必死に皆について行く。
菅野さんとこも五十嵐んとこも慣れていて、スゲェな〜と感心してしまった。
 
20分ほど電車に揺られ、10分ほど駅から歩いたところにセムリーはあった。
 
 おおおお!遂にやって来た!!」
 
 
かねてから来てみたかったセムリーを見て
急に僕の中で、モリモリする何かがふくれ上がってきた!
脳がドーパミンやらアドレナリンを放出し始めたのだ!!
 
日本時間にして真夜中の3、4時といったところ...
いわゆるハイってヤツだ。
 
 
練習場は思った程混んでいなかったが、その中にはマイケル&ビアータがいた。
UKに向け最後の調整をしているところだ。
他の選手も、少しずつ踊り始めている。
 
 
今回五十嵐のところは見学することになり、僕と菅野さんのところが練習することになった。
 
他にも多くの人が見学だけにやって来ていて、
そんな中に、師匠・竹歳さんを発見!
 
久々の再会に、思わずホッとした。
聞けばそのあとチームに行って練習するんだそうで、
わざわざ会いに来てくれたようだった。
...ありがたい事である。
 
 
着替えを済ませ、さあ練習だ!!
 
俄然僕は盛り上がっている。
ヒート割がなされ、強者の中に入って踊る。
 
周りの風が...は、早い!!
 
びっくりした。
 
コレが...これが...皆の言う次元の違う風かぁ!
 
思いっきり触発された僕は「気持ちだけでも!」と周りにならう。
 
面白いことに、こういう中に入って練習すると、周りのスピード...というか
気持ちや踊る感覚が、肌で伝わってくる気がした。
初めての感覚。
 
「あー、練習でここまでやるんだ...」
という気迫。
そうやってやればいいのか...。と、自分もやってみる。
周りに引っぱられる感覚だった。
 
(コレはあくまで自分の感覚で、周りから見たら、ドヘタな日本人が混ざっているようにしか
見えてないと思いますが)
 
 
周りに引っぱられる感覚に、こわばっていた体を自由に動かせる気持ちよさが相まって
ハイな気分はさらに上昇!!
 
自分のからあふれ出てしまった情熱と興奮は、その刃(やいば)を目の前の人間に向けた。
同じ感覚をパートナーにも求めたのだ。
 
 
もっとスピーディーに!
ボディーをエキスパーンド!!
カモーーン!!!
 
 
...と、意味不明の完全和製英語を連発!!
 
途中でパートナーは呆れてしまったようだった。
だがしかし、あの時の二人は、いつもと違う踊りをしていたのではと思う。
そう思いたい....勝手に思いこんでます(--;
 
 
そんわけで練習は険悪なムードで終了...(^^;
 
 
でもとにかく、あの時は衝撃的だったし、気持ち良かった。
あの感覚を忘れないようにしたい。
 
 
 
練習を終え、ものすごい爽快感に包まれながら(..多分僕だけ..)
また電車に乗りホテルに戻る。
 
 
その後、久保さん達の部屋に行って、少し飲むことにした。
練習に行っている間に久保さん達が買っておいてくれた缶ビールを
飲みながら、暫し雑談。
 
なんともビールがウマイ...。ゴクゴク飲んでしまった。
 
 
部屋に戻る頃には、疲れ切った体にアルコールが行き渡り
ベットに即撃沈。
 
 
こうして、ようやく長い長い激動の1日が終わったのだった...。
 
 
 


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